薬剤師の業界では都心部などで一部飽和状態が見られるものの、
全体的に見れば薬剤師が不足しており、売り手市場ということができるでしょう。
特に地方における薬剤師不足は深刻で、少しでも魅力ある条件で人材を確保するため、
給料も高く待遇もよい求人が多く見られる傾向にあります。
薬剤師というのは国家資格の必要な専門職です。
かつては4年制、現在は6年制の大学で専門知識とスキルを磨き、
国家試験に合格しなければできない仕事となっています。
そのため、誰でもいいからと雇うわけにはいかず、
国家資格と知識やスキルを兼ね備えた人材を確保する必要があるため、
どうしても地域や職場による人材の偏りや人材不足が生じてしまうといえるでしょう。
この点、東京や埼玉、千葉、神奈川などの東京を中心とした首都圏では、
薬剤師の数も多く求人への応募者も多いため、給料を低く抑えても応募者がたえないため、
待遇面でいうと地方よりも低いケースも少なくありません。
これは他の一般業種においてはあり得ない逆転現象といえるのではないでしょうか?
一般の業種は首都圏の給与が高く、地方に行くほど低くなる傾向にあります。
それは地方が人材不足であっても変わりありません。
ですが、薬剤師の場合は人材不足である地方では、より好条件を提示して
人材を募集しているのです。これは薬剤師の専門性とともに、その役割が人々が
暮らしていくうえで不可欠なものといえるからではないでしょうか。
人間はいつ病気やケガをするか分かりません。
少しでも人が暮らしている以上、病院や薬局などの医療機関は不可欠な存在となります。
そのため、どうしても薬剤師を確保しなければならないのです。
一方、もともと地元が首都圏という薬剤師も多いのはもちろん、薬剤師になるために
進学する薬科大や薬学部も多いため、地方から進学で上京し、そのまま都会での快適な暮らしを
選択して、そのまま首都圏で就職する人が多いのが実情です。
そのため、地方と首都圏で薬剤師の数の格差が生じてしまうのかもしれません。
首都圏でも就職先が決まらないといった求人数の不足はありませんが、先にも述べたように
地方と比べて必ずしも、給与面で有利とは限りません。
給与面の高さと地域貢献を目指すなら、地元へのUターン就職や、
思い切ってIターン就職を目指すことも考えてみましょう。引越し手当の支給や住宅補助、
住宅の用意などをしてくれる就職先もあるので、知らない土地でも安心です。