頭痛にきく成分の代表的なものとして、「アセトアミノフェン」と「イブプロフェン」という鎮痛成分があります。
市販の頭痛薬の中には、これらのいずれかを主成分としたり、両者を配合したダブル処方のものが多く見られますね。
頭痛は末梢神経に痛みのもとが現れ、それが中枢神経を通じて痛みを脳に伝えることで起こるというのが、基本的な仕組みとなっています。
「アセトアミノフェン」は中枢神経に作用して、痛みの伝わりを抑え、痛みを感じにくくする成分です。
これに対して「イブプロフェン」は末梢神経に作用し、痛みのもととなるプロスタグランジンという物質の生成を抑えます。
また、頭痛薬にはこれらの2つの成分を助けて、鎮痛作用を高める成分も配合されているのです。
その1つに、「無水カフェイン」があります。
これは血管の拡張を抑えることで、「イブプロフェン」の鎮痛作用をアップさせてくれます。
また、「リルイソプロピルアセチル尿素」は、痛みを感じる働きを抑え込み、やはり鎮痛効果を高めてくれますね。
一方、強い痛みのある頭痛にもきくとされる成分が、ピリン系の「イソプロピルアンチピリン」です。
この成分も単独で用いるほか、4種類などいくつかの成分と組み合わせることで、様々なタイプの痛みに対応したり、鎮痛作用を高めるよう配合されます。
「イソプロピルアンチピリン」も、プロスタグランジンの生成を抑制する働きがあります。
ただし、ピリン系と呼ばれる薬は副作用が強いことでも知られており、薬物アレルギーがある方は注意が服用にあたって注意が必要です。
まれに発疹や発熱などが生じることがあるかもしれません。
これに対して、「アセトアミノフェン」はマイルドにきく成分であるため、激しい頭痛にはききませんが、副作用が生じにくく、小児用の頭痛薬にも用いることができる成分です。
そのほか、炎症や解熱作用がある古い歴史を持つ成分に「アスピリン」があります。
これもプロスタグランジンの生成を抑制し、優れた鎮痛作用を発揮するのです。
また、「ロキソプロフェンナトリウム」も頭痛によくきく成分として知られており、痛みの原因物質を素早く抑え込む働きが期待できます。
一方、頭痛にきく成分は化学的な医薬品だけでなく、漢方の世界にも存在します。
その代表的なものが、「葛根湯」で、滋養強壮にもきく葛の根から抽出した成分を使用していますね。
風邪のひきはじめの悪寒や風邪の初期症状や、肩こりや頭痛の緩和に効果的で、体を温め血流を促すことで症状を緩和します。