①PK/PDとは:
PK=Pharmacokinetics (薬物動態学)
PD=Pharmacodynamics(薬力学)
抗菌剤の使用においては、PK/PD理論を元に使用量、投与間隔が決定されています。
では、実際にPKPDとはどんなものでしょう?
薬物動態学(PK)と薬力学(PD)を指標として、血中濃度と効果の関係から薬物の作用の効果を
最大限に発揮できるように、副作用を軽減するような用法・用量を選択するものとなります。
PK/PDのパラメータには、以下3種類があります。 ・%T>MIC (time above MIC)
24時間の中でMIC(minimum inhibitory concentration:最小発育阻止濃度)を超えている時間の割合が抗菌作用に相関

・Cmax/MIC
最高血中濃度(Cmax)とMICの比率が抗菌薬の作用に相関。
・AUC/MIC
AUC(area under the blood concentration time curve:薬物血中濃度−時間曲線下面積) と
MICの比率が抗菌薬の作用に相関

②簡易懸濁法とは:
経管栄養の患者さんや錠剤嚥下が困難な患者さんに薬を服用して頂くときに、
薬を粉砕をせず、錠剤を微温湯に約10分間浸して溶かし、服用していただくという方法です。

特徴
・粉砕により生じる錠剤の全量の低下を防ぎます。
・多剤を併用時に、薬剤配合による変化を防ぎます(多剤と混じるのは溶解している時間内だけ)
・粉砕することによる安定性の問題を回避

注意事項
・日本薬局方のカプセルの基準をベースにし、微温湯=55℃(ぬるま湯)を使用。
10分後に37℃を保てるように、55℃が設定されています。
・フィルムコーティングの薬剤の場合、一度潰してから微温などに浸す。
・腸溶性の薬剤や55℃で安定性に問題のある薬剤等は簡易懸濁法に適しません。

③目薬のさし方

1.まずは無菌状態にするために手を綺麗に洗う
2.瞼が目薬の邪魔にならないように開く
3.目薬の先端が睫毛などについて近繁殖しないよう注意して目薬を1〜2滴さす
4.瞼を閉じ、全体に広げさせる。

解説
1.は2.を行う時に眼が細菌で汚染されるのを防ぐ為。
3.上記に同じく、同様に目薬先端を汚染から守る為。目薬の滴下数についても眼の中に入る液量は決まっているので
(結膜嚢内最大容量30μl)多く入れてもよく効くわけではなく、殆どが溢れ出てしまいます。
(目薬1滴は約30〜50μl)
4.目の中で広げさせるのは全身への副作用を抑える為。
複数の点眼薬を一度に使用する場合の投与間隔は、体への影響を考慮して5分以上の間隔をあけて使うことが望ましい。
また、油性の点眼薬や、ゲルっぽくなるものは10分以上間隔をあけてつかうこと。

目薬を使用するときの順番
・水性同士の薬剤の使用の場合、一般的に効かせたい薬を後に使用したほうがよいとされています。
・懸濁性の点眼液の場合、水に溶けにくいため水性の後に使用するようにする。
・眼軟膏、油性点眼液などゲル化する点眼液は、一番最後に使用するようにする。
目薬の使用期限
・開封後の使用期限が特にないものは1ヶ月を目安に使用する。