患者の名前を呼ぶとき
調剤薬局の場合には、患者の1人1人名前を読んで窓口に来てもらい、服薬指導を開始します。
または、ドラッグストアの場合は、薬剤師の元へお客さんが薬を持ってきたときに行うことになります。
その際、歩き方に注目をして、患者が窓口に来る瞬間、その全体的な様子を把握するようにしましょう。
体調が優れないという方は、足取りが重く、また、急いでいる方は早足となることでしょう。
高齢者や怪我をしている場合には、窓口に行くことすら難しいこともあります。
あらゆる場面を想定し、患者の状況や体調を見極めながら臨機応変に対応することが、コミュニケーションをする上で大事なポイントとなります。
さらに、患者の表情や顔色にも注目が必要です。
いつも以上に沈んだ表情をしていたり、顔色が優れない場合にはそれをふまえた対応を心がける必要があります。
薬剤師とは、患者の不安定な気持ちを想定しながら思いやりをもって対応することが大切です。
服薬指導をするとき
服薬指導は大切な薬剤師の仕事ですが、その際に気をつけるべき点、改善できるポイントはいくつもあります。
例えば、緊張や不安で思っていることを口にできない患者に対し、気軽に話せる話題から始めてみることがお勧めです。
季節の話、時事ネタ等を交えると、患者との距離を縮める有効な手段ですのでお勧めです。
このように、話しやすい環境作りをすることで、緊張がほぐれた患者は少しずつ自分のことを話してくれるようになることでしょう。
「薬剤師はとっつきにくい」というイメージが少なからずありますので、初回服薬指導の時は、親しみやすい態度でいることが大切です。
新規の患者は、薬の処方内容について変化があった場合には、説明事項が増えます。
ただし、定期処方となる患者にとって、服薬指導は同じ説明の繰り返しや、単調なものになってしまいがちですので、そんな時には服用中の薬について、飲みやすさや問題がないか等、確認をしてみるとよいでしょう。
服用しにくい、副作用が心配というケースでは、患者は服用をしないケースがあり、薬剤師が質問するまで判明しないこともあります。
そのような場合には、医師に疑義照会を行って、その内容について伝達し、改善策を提案するなど解決を図るようにする必要があります。
定期処方の患者の方の場合には、コミュニケーションもマンネリになりがちで会話にも困ることがあります。
定期的に顔を合わせるのですから、会話を楽しむように心がけましょう。
ささいなことでも薬歴に記載するようにして、患者の所見の薬剤師にも情報を共有するようにしましょう。
いろいろなコミュニケーションの工夫をすることで、信頼関係の構築に役立ちます。